a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

2014-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ソナチネ(1993) - 遊戯を撮らせたら、この作品が世界一である。

北野武監督。 個人的に好きなのが、やーさんのネクタイの柄である。今時こんな柄のネクタイはお目にかかる機会がないのであるが、それは柄があまりにも遊びすぎているからである。ビジネスに使えないし、案外とカジュアルファッションにも合わせにくそうであ…

アウトレイジ(2010) - ストーリーの変化は、もはやプリズムを見ているかのよう。

北野武監督。 いくつか映画の音楽と空間について。 まず音楽の開始は、ストーリーの展開に数秒先立つ。ストーリーの展開や、映画世界内での位置が大きく変わる際、ある特徴的な音楽を流すことによってその移り変わりを印象づけることが普通である。本作にお…

Rambo (2008) - 4作目ではミャンマーへ。

Sylvester Stallone監督。 ベトナム帰還兵Ramboが登場する4作目。前作の発表から20年がたち、Sylvester Stalloneが監督を務めている。 前作では砂漠のど真ん中で戦車を乗り回していたが、本作は密林へともどり原点回帰である。ついにRamboのゲリラ戦が見れる…

なくもんか(2009) - 結局泣いてばかり。

水田伸生監督。 阿部サダオの主演するコメディー。どの静止画をとってみても、彼の演技はぼろが出ないのである。これはかなりの謎で、完全に役が憑依しているのかという雰にみえる。 遺伝的な兄弟が次第に仲良くなっていくというストーリー展開をする。ただ…

Rambo 3 (1988) - ゲリラ好きのランボーが、平地で戦車を乗り回すまさかの展開。

Peter MacDonald監督。 前回ベトナムへ作戦を実行しに行って酷いはめに合わされたRambo。今回はベトナム戦争の時から上司と部下の関係で深情がうまれている大佐を助けに、アフガンへと向かう。 Ramboは前回の作戦で懲りたのか、世捨てをして格闘技でその日暮…

Hard Past Dead (2002) - 今度のSeagalはおとり捜査官。

Don Michael Paul監督。 今月のSteven Seagal出演作。 今回の悪役のボスであるが、湾岸戦争症候群なのではないかと劇中において言われていた。私見であるが、アメリカにおけるアクション映画の悪役は、退役軍人である確率が高いような印象を持っている。その…

千と千尋の神隠し (2001) - 儒教的なラストで、非常に日本的らしいアニメ映画。

宮崎駿監督。 日本の民話というか、伝承として残る神隠しについて、独自な解釈を元にストーリーをくみ上げたアニメーション作品。神隠しがどのように行われているのかという解釈がおもしろく、また神隠しから脱出するストーリーもおもしろい。結局、主人公の…

La Belle et la B?te(2014) - CGで蘇る美女と野獣(多少ライオンに見える)。

Christophe Gans監督。 久々に映画館で観た作品。 フランス民話として有名な「美女と野獣」が映画化されたもの。但し、ディズニーアニメの「美女と野獣」のイメージの方が先行しているかもしれない。また、Jean Cocteauによる「La Belle et la Bête(1946)」…

網走番外地 南国の対決(1966) - 即興的に展開する、沖縄での網走番外地。

石井輝男監督。 冬や雪のイメージが強い高倉健であるが、実は彼はバミューダのような南国が似合うということはあまり知られていない。彼が南国沖縄で活躍するのが本作。 ちなみに網走番外地は二十弱の連作が出来ているようである。 警察や公安が片を付けられ…

Stagecoach (1939) - 即興的なストーリー展開の、古典にして頂点。

John Ford監督。 本作の題名にもなっている駅馬車に、見ず知らずの人間(多少関係性を持った人間も含まれている)が寄り合い、目的地を目指すという映画。 駅馬車にのっての長旅であるから、途中には音楽で遊戯する人があらわれたり、ロマンスのかけらがふいに…

網走番外地 北海篇(1965) - 日本の「駅馬車」現る。

石井輝男監督。 即興的に繰り広げられていくストーリーが魅力な映画である。見知らぬ人間たちが行く先々でトラックに乗り込む構図は、Stagecoarch(1939)に似ている。目的地へと到着する過程を描くストーリーであるから、道中に行動をともにする登場人物たち…

Hitman (2007) - 2丁拳銃はやはりかっこ良く、女はファッションセンスが良すぎる。

Xavier Gens監督。 数あるヒットマンが主人公である映画の中で、その名前を冠した映画が本作である。 ストーリーの映し方に無駄があり、画面も単調なのであるが、時々才能があるようなショットが混ざることがある。2丁拳銃使いは非常にかっこ良いのであるが…

Babel (2006) - バベルのような役所広司の演技。

Alejandro González Iñárritu監督。 日本、モロッコ、アメリカ、その他さまざまな地域の人が因果関係で結ばれていた一つの出来事を描く。 一番演技が良かったのは、おそらくCate Blanchettであり、一番困惑するような演技だったのは役所広司である。 モロッ…

The Terminator (1984) - 有名な映画音楽は、モーテルにて際立つ。

James Cameron監督。 Terminatorシリーズは無機質な戦闘ものの映画であるというイメージが強い。しかし、最初である本作は、人間の運命のどうしようもない部分とどうにか出来る部分が交叉し、ドラマチックに仕上がっている。特にモーテルで結ばれる二人のシ…

The Great Train Robbery (1903) -映画ストーリーの最小単位がわかる作品。西部劇の元祖。

Edwin Stanton Porter監督。 20世紀の最初頭、西部劇の元祖と一部で呼ばれている作品。 完全無声であるので、映画音楽が使用できない。その制約の中でいかに映画をドラマチックに仕立てることが出来るかがポイントであるように感じてならない。 撮影は固定カ…

Sherlock Holmes: A Game of Shadows(2011) - 次世代型HolmesとMoriartyの闘技。

Guy Ritchie監督。 画面の切り替えがめまぐるしすぎて、何を映しているのか直感的にわからない。情報過多である。音楽の使い方に関しては圧倒的にへたくそである。音楽を常に流して、こてこてしすぎなのである。また、ストーリーの展開の仕方が微妙に断絶し…

Nosferatu - Eine Symphonie des Grauens (1922) - ニワトリの鳴く朝まで。

Friedrich Wilhelm Murnau監督。 1922年に発表された白黒のムルナウ版に加え、着色カラー版、また1979年にWerner Herzog監督による別作のリメイクが出ている。 映画音楽がほとんど常に鳴っている。それも、それぞれの登場人物や状況について、ひとつのテーマ…

Rambo: First Blood Part2 (1985) - ランボーはベトナムへと渡る。

George Pan Cosmatos監督。 連作であり、合計4作目まであるFirst Bloodシリーズの二作目。今回はベトナムにいる米国捕虜兵の存在を写真に収めるというストーリーから、結局は自らすべて捕虜兵を助け出してしまうというストーリーへと変化する。 Ramboと一緒…

Identity (2003) - 二度観なければ良さがわからぬ作品。

James Mangold監督。 The Hitcher 2(2003)で猟奇的なサイコパス役を演じたJake Buseyが、今度は本作で囚人役を演じている。 映画世界上での場面切り替えが激しく、そのためにシーンの切り替えはがらっと変えるように、そして場所や時が移ったことが良くわか…

The Hitcher 2: I’ve Been Waiting (2003) - トレーラーに小型飛行機が特攻をかける様が魅力。

Louis Morneau監督。 ヒッチハイクしてきた男が、凶暴なサイコであるという話。ストーリーは、そのサイコ男を自分たちで殺すことが目的になっている。 前作で出来た流れなのか、彼は自身が犯した殺人を運転していた人間に着せることができるので、自動車を運…

A Room with a View (1986) - 錚々たる芸術の前に佇む人間の愛情の本質とは。

James Ivory監督。 クラシックピアノを弾く英国のお嬢さんが、肉体的な恋愛のよろこびを知っていく話。彼女はベートーベンの曲をピアノで弾くが、その音楽への情熱を彼女の人生へと傾けたら、音楽と人生が融合し彼女の人生はより豊かになるであろう、と。10…

The River Wild (1994) - サスペンスの教科書を地で行くような作品。

Curtis Hanson監督。 川下りに来た家族と、おなじく川下りにきた男三人組が登場する。 物語が温和に進んでいくが、途中で家族と男三人組が一緒に川下りをすることになる。男たちはその地点から先の激流をすすむ技術はなさそうであり、かといってボートをすて…

First Blood (1982) - 感動の源泉とはストーリーにあらず。

Ted Kotcheff監督。 PTSDなのかベトナム戦争で傷つけられた記憶がフラッシュバックする男が、警察と抗争する話。浮浪者だとして警察署に勾留された際、多少雑な扱いをうけてののしられたことで、彼の記憶がフラッシュバックしてしまったらしい。アメリカが海…

Miai Vice (2006) - 優秀な潜入捜査ものの映画。

Michael Mann監督。 潜入捜査のストーリーを持つ。全体的なストーリーが引き締まっており、めりはりがある。なかなか良い映画だが、今一歩抜けきれていない部分があるような気がする。

Flight of the Phoenix (2004) - 飛行機を砂漠の中で作り直す、発想が面白い映画。

John Moore監督。 冒頭は、新規の石油採掘場が失敗し、リストラした10人前後を飛行機で輸送するところから始まる。ここではまだストーリーの冒頭手前なので、いかようにでも話の方向を変更することができるのである。リストラされた人間がそれぞれあたらし…

Hard Target (1993) - 2丁拳銃のさばきがすばらしい、普通の映画。

John Woo監督。 アクション映画である。人間を撃つ時が特徴的で、2丁拳銃を用いて一人あたり10発ほど打ち込む。アクション映画では一人あたりに一二発当たればよいのに、これでもかと執拗に打ち続けるのである。 また、戦闘中に平和の象徴になる鳩を飛ばすこ…

Independence Day-saster (2013) - 低予算なのが残念。

W.D.Hogan監督。 一般人の青年や女の子であっても、大統領と一緒に納屋で地球防衛を行える。なんともアメリカらしい物語の持って行き方である。本部でふんぞりかえっている副大統領と対比して、勇気をたたえる描写であある。 ただ、ストーリーは面白いと感じ…

Outlander (2008) - SFと定住原住民族の不思議な映画。

Howard McCain監督。 モーウェンという名前の怪獣が出て来る。SFの世界と定住原住民の世界をまぜようとしても、それぞれ妙に独立して存在してしまってちぐはぐな印象である。 基本的に映画のストーリーは、外発的な事件であたらしい意味付けがされる。 可能…

The Thing (1982) - バランスのとれた良い作品。

John Howard Carpenter監督。 軍師のような、策士的な性格の人間であることを描写するには、適当にチェスで興じているシーンを入れて勝たせればよい。もっとも、ここの映画に出て来る人物はチェスに負けてその腹いせに、ウイスキーをパソコンに流し込んでぶ…

Lakeview Terrace (2008) - 精神的な闇をみるが、多少雑な作品。

Neil LaBute監督。 違和感をみせることが、サスペンスのひとつの形である。それというのは、通常期待されるような反応や行動が起こらないか、もしくは別のかたちで起こることが条件である。 冒頭から中盤にかけての、Samuel Jacksonのターナー家と、その隣人…