Curtis Hanson監督。
川下りに来た家族と、おなじく川下りにきた男三人組が登場する。
物語が温和に進んでいくが、途中で家族と男三人組が一緒に川下りをすることになる。男たちはその地点から先の激流をすすむ技術はなさそうであり、かといってボートをすててキャンプへと帰るには山登りの専門家でも一週間程度かかるという。このように登場人物の採れる可能性を合理的につぶしていくことを、「登場人物を可能性で囲み込む」と私は呼んでいるのだが。そうして最終的にひとつの方向だけに物語を誘導していくのである。監督の采配の匂いが香り、登場人物は惑っている子羊である。
初対面で不信の種がのこるそれぞれの集団がひとつのボートにのるという、不安定なサスペンスの舞台が完成する。ただし、その物語がやろうとしている目的は、共通の敵をつくり、家族の仲を再生する事である。
また、Meryl Streepの役者としての幅の広さに驚く。