2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧
George Albert Smith as director もしかすると今の映画監督よりもいくつかの点で巧くとっている可能性すらある。まず、画面の対称性を明瞭に描いている。壁にかけられた何かによって山形の対称形が作れている。また、目を引くのは黒猫の存在である。映画に…
George Albert Smith as director 映画が誕生して間もないのに、よく虫眼鏡のような撮影方を考えたと感動する。そして一世紀前の鳥と猫は、今とまったく同じ外見をしているのだと感慨深い。この一世紀で外見が大きく変わったのは、他でもない映画なのだろう…
Charles Chaplin as director Chaplinが監督を務めた中で、おそらく最初のクローズアップなのではないだろうか。パン屋でのドタバタ劇の中で、恋愛喜劇だけではなく労働者とストライキという複数の軸で展開しているから楽しい。 この時代は基本的に全編がロ…
Charles Chaplin as director 当時の劇場を見ることができる貴重な映像でもある。もっとも、そのスクリーンは見るも無残にやぶられてしまうのだが。 相手をフォークで刺したり、湖に突き落とした相手が這い上がってくるのをさらに阻止するといった行動は、後…
Charles Chaplin as director 驚くほど良くできている掌編である。強盗が入ってきて、雑用係であるChaplinがその強盗をやり込め、ヒーローになるという骨組みである。2010年代のアメリカのヒーロー映画は、この骨組みを未だに使いまわしている。応用するので…
J.B. Rogers 監督。 脳卒中で半身麻痺になっている人物が後半になると元気になり、変わりにその夫の妻(彼女は悪役である)が発作を起こして半身麻痺になる。主人公はsister fuckerであり変態であるといわれたが、後にその女は実の兄妹ではないことがわかる…
Charles Chaplin as director 「Help Cripple」の看板を奪い、自分が看護を頼まれた足を怪我している人の上に乗せ、得た金銭を騙し取る。これのどこがProfessionなのだと突っ込みを入れたくなる。こういうユーモアがたのしい。
Charles Chaplin as director 『つらあて』で女装をしたチャップリンが、本作では話の脈絡がある女装をしていて面白い。冒頭から最後まで女装をされては単なる女方なので、男が女に扮することの奇妙さを笑いにかえられる本作のような仕掛けが映画には欲しい。
Charles Chaplin as director 背景に広がる池を見て、これは絶対最後には全員池に落ちるに違いないと思って、果たしてその通りになる。なぜそう思ったかというと、以前にも同じようなストーリーを作品を彼が出しているからである。本作は機械的に作った間に…
Charles Chaplin as director 観客が笑っているシーンが特徴的である。それは本来は私たち観客の立ち居地である。それが画面の中で提示され、私はそれにつられて少しだけ笑ってしまう。
Mack Sennett as director このフィルムは子供に対して暴力的でユーモアが無い。役に対しては子供も大人も一切の区別がないのであった。子供には子供なりの社会への関与の仕方、大人には大人なりの規範というものが現在にはあるが、昔はもっと曖昧だったのか…
Charles Chaplin as director 『とんだ災難』にひきつづきメガホンを取ったチャップリンが、急に女装して登場した作品。どうして女装しようと思ったのだろうか。タイトル通り殴る・蹴るに忙しい。チャップリンの映画で殴るとは腕を伸ばして水平にたたきつけ…
Charles Chaplin as director 全体的に工夫に富んでいる。恋愛喜劇と雨の関連性が薄い気もする。夢遊病の女がストーリーをかき乱していくのが面白いと思うが、ハロルド・ロイドの出演作にも夢遊病の女が出てくる。しかし、最近の映画に夢遊病の女はみかけな…
George Nichols as director George NicholsとChaplinの組み合わせで一番高度な映画じゃないだろうか。子供が不倫現場を幻灯機で撮って公開し、大人たちが修羅場になる。夫は不倫した男をなぐり、妻は幻灯機で取った子供をおしおきする。それぞれのシーンが…
George Nichols as director 毒の水を飲むところがおもしろい。その水が実はただの水であったというのは古今東西でコメディの常套手段である。一世紀前の人も失恋によって感情を害して、自殺まで考えるのかと思った。
George Nichols as director 回転ドアに三度も四度も転ばせられる様子を観ているとたのしい。それ以外の点で独創的なところは無いように思われる。
Ford Sterling as director 2010年に発見されたら中にChaplinが出演していたという驚きのフィルムである。というのもそれまで彼を研究していた人ですらこのフィルム存在を見落としていて、消失や劣化する過去の映画が沢山在る中で、偶然見つかったのであった…
Henry Lehrman as director 当時のカーレースは動力自動車ではなかったのかと思い新鮮であった。
Henry Lehrman as director 暴力沙汰は非日常的なフィクションであるにせよ、当時の風景をそのまま切り取ったような作風が私を安心させた。Chaplinは常に弱者の側に立っていたから大衆に愛されたとする構図的解釈が一般的に言われるが、それは違うと思う。弱…
Sydney Pollack監督。 いい映画であった。風呂場での殺人シーンが凄いと思う。魚のごとく刺すという比喩が似合いそうなそのシーンは、他の暴力的な映画のどこにも観たことがなかったので、久々にスリルを味わった。 「道」という単語にはさまざまな種類の道…
Len Wiseman監督。 未知の感染症によって人類の統合性が失われていくのだと思いつつ、このような映画はだんだんと廃れていく直感はある。あまりにも続編を作りすぎた『バイオハザード』が終に終幕するとき、未知の感染症を主題とするSFも終了するのだ。とい…
Bobby Farrelly, Peter Farrelly as director まじめな恋愛映画。二人が感情をすり合わせながら愛情を育む様子が丁寧に描かれている。そして、たかがゲームに対する男と女の一般的な感じ方の違いが、極めて鮮やかに描かれている。何に傷つき、何に価値観を置…
Wesley Anderson監督。 特に感想が持ち辛い短編である。カメラをレールに乗せて水平に移動させるのは楽しい撮影法ではあるけれども。
Wesley Anderson監督。 単調でつまらない。ロードムービーのおもしろさに必要な、旅の出来事のギャク性と意外性があまりにも無い。蛇が逃げたら、それが別の客室にすべりこみ客室乗務員の女に噛み付くとか、多少なりともギャクの要素が欲しい。しかし、本作…
Ingmar Bergman 監督 監督が自ら引退宣言をして残した作品の中で、おそらく最もすばらしい。すべてのシーンのスクリーンプレイがなめらかであり、不自然な箇所が見当たらない。その意味で、虚構であるのにあたかも現実の一家族におきた出来事を描写している…
Luchino Visconti監督。 風景をなめまわすような主観ショットが印象的。真理や人間的尊厳を音楽として追究する中で、ベニスで出会った少年の絶対的美に出会ってしまい、その美を自らの哲学に統合できずに居る。なぜなら主人公は絶対に老人であり若さは戻らな…
Adrian Lyne監督。 全体的に画面の色調が暗い。多少くすんだ画面を好む人もいるだろう。恋愛映画に暗い色調は合わないと本作を嫌う人もいるだろう。フィルライトが足りないので人物の表情が影になり見えないこともあれば、逆光で風景がぼやけることもある。…
Bobby Farrelly, Peter Farrelly as director スクリーンプレイが上手であった。主役の二人が、このような役の演技は慣れっこであるとでも言うかのようにこなれているので、微妙に感動が醒めるようにも思う。『マスク』、『ブリジット・ジョーンズの日記』と…
Wong Kar-wai監督 男と女の距離が非常に近いことに驚く。それぞれ他人であっても、まさに恋する惑星の下では触れるだけで恋人になれる。映画的説得性をもって、この超常的惑星を描写することが大切なのだが、本作はハンドカメラによる近接撮影と、静止画をま…
Wesley Anderson監督 子供が出ているからといって映画が子供だましなのではない。むしろ本作では高度な技術が続いており、十分に大人な映画である。単純なカメラワークと強引なストーリーによる映画の方が子供だましであると感じさせる。 登場人物が直線状も…