a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

1930年代 普通 (好みで)

Grand Slam Opera (1936) - パントマイムとロマンスを観る。

Buster Keaton as director 彼の相変わらずのパントマイムの上手さと、典型的なロマンスストーリーを観ると安心する気もする。

The Gold Ghost (1934) - 音が入ったキートン映画を観る。

Charles Lamont as director 映画に声が入った。しかし、Buster Keatonの映画のよさは、映画に声が入るかどうかとは完全に離れた場所で誕生しているらしい。その証拠に、彼の20年代の30分弱のコメディー映画と見比べても、本作には特段の進歩というものが無…

鶴八鶴次郎 (1938) - 女によって主導されるストーリーを観る。

成瀬巳喜男監督。 女が気まぐれであるだけで恋愛を主軸とする映画がいかに面白くなるかという事を、本作を観て学ばさせて貰った。

Limite (1931) - ただひたすらに移動する。そして捕われる。

Mário Peixoto監督。 一番に指摘しなければならないことは、ラストにかけて使用されている海のシークエンスであるだろう。本作はサイレント映画であり、オープニングからエンドまで終始音楽がかけられている。海のシークエンスでは、豪華で陽気なオーケスト…

Stagecoach (1939) - 即興的なストーリー展開の、古典にして頂点。

John Ford監督。 本作の題名にもなっている駅馬車に、見ず知らずの人間(多少関係性を持った人間も含まれている)が寄り合い、目的地を目指すという映画。 駅馬車にのっての長旅であるから、途中には音楽で遊戯する人があらわれたり、ロマンスのかけらがふいに…

浪華悲歌(1936) - 浄瑠璃がきれい。女曰く「わての病気はどうしたら治るんやろか」。

溝口健二監督。 監督が精力的に実際の日本社会を切り取って撮影していた時期の作品のひとつ。映画書評の多くは、本作を契機として日本映画のリアリズムが社会に許容されるようになったと指摘している。 「会社なしのお父さんなんて、無いほうがマシや」とい…

祇園の姉妹 (1936)- 芸子なんて商売なかったら良い、という社会派映画

溝口健二監督。 本来90分ほどの作品として完成したが、戦争でフィルムが失われたのか、現存するものは69分のものである。59年のキネマ旬報社が出した日本映画のベストで2位になった作品であり、当時の世間から絶賛されたことが伺える。 祇園の狭い街並と、家…

L’Age d’or /黄金時代(1930) - バイオリンでドリブル。

Luis Bunuel監督。彼はSalvador Daliと共同で作品を作る機会を持っており、本作もそのひとつである。 ところで、近年Woody Allenの撮ったMidnight in Paris(2011)では、役者扮するBunuelとDaliがレストランで待ち合わせをしており、知り合いのような既登場し…

フランケンシュタイン (1931) - talkie古作の秀作

James Whale監督。talkie 最古作の部類に入る。 半世紀以上も年代がはなれると、文化や世界情勢が大きく異なり、映画の存在位置が今と異なる。そのため、秀作とか駄作とかを私がカテゴリーすることには意味がない。 フランケンシュタインという科学者が、犯…