Christophe Gans監督。
久々に映画館で観た作品。
フランス民話として有名な「美女と野獣」が映画化されたもの。但し、ディズニーアニメの「美女と野獣」のイメージの方が先行しているかもしれない。また、Jean Cocteauによる「La Belle et la Bête(1946)」が存在する。
ところで、岩波新書の「フランス民謡酒, 新倉朗子訳」では、美女と野獣はたった4ページで終わる掌編である。その行間をどのような映像とストーリーで埋めるのかという部分が、映画化における製作の解釈になるだろうが、本作は、城に住む野獣のストーリーに焦点をあてている。彼がどうして野獣になってしまったのかという内容であるが、当然民話ではそこまで丁寧に合理的に説明はしてくれない。そこで本作では独自ストーリーになるのだが、残念ながらそのストーリーは何処か別の民話で何度も読んだことがあるような呪術の類いである。これは好みが別れるであろう。
途中で謎の石像の巨神兵が出て来る。どことなく娯楽ファンタジーになった感が否めないが、2000年を過ぎた映画が解釈した美女と野獣は、このような出来に落ちつくのだと思う。なかなか面白かった。