a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

Lifeline (2002) - 「私たちを置いていこうとしたのね」と表現する特徴的な死生観を観る。

Victor Erice監督。

『Ten Minutes Older, The Trumpet』に収録されている、オムニバスの一つである。

10分の間に、赤ん坊がこの世からいなくなりかけてしまう。その様を親族が「私たちを置いていこうとしたのね」と表現するところに、特徴的な死生観を感じる。親族の元から去っていくのではなく、置いていこうとする。切断されることの在り得ぬ、強い絆の概念を見る。

静止画としてどのシークエンスを切り取ってみても、写真として成立するような立派な画面である。そのためか、登場人物が、むしろ役者の本来の人間性をそのまま写しているように見える。