a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

My Summer of Love (2004) - イギリスの凄く優等なレズ映画

Pawel Pawlikowski監督。 イギリス映画。ハンドカメラを多く用い、さらに遠方からズームでとる事で、まるで誰かの私生活を覗き観ているかのような印象を与える。具体的にはよりリアルで、また画面が動的で不安定になる。レズものの映画はいくつか知っているが、これが一番印象にのこる。登場人物主な三人が、それぞれ自らの虚構がはがれて、真実にさらされる構成になっている。故に、かなりポジティブな方向にストーリーを解決させた映画である。

レズビアンは、映画で取り扱う中では、心の中になにかの枷をかかえた女の一種の解決策として現れる。
そのため、その枷が外れると、基本的にはヘテロセクシュアルに戻るようになっている。その枷がはずれる過程こそ、人物がある体験を通じて心理的に成長するという、物語がもっとも得意とする過程である。その過程の描写をどのようにするかによって、レズ映画は完成度が如実に左右される。

これは、脚本の完成度が高いので視聴がおすすめ出来る。視聴することをおすすめできる映画というのは、多いようで案外少ないものである。