堤幸彦監督。 最初なめてかかって観た映画なのだが、凄いよく出来ていた。
バンドマンの映画で、伏線がもりだくさん。これは売れるだろう。
主演の佐藤健が唄う時に、あえて声を消して演出している。
音をあえて入れないのは、La môme(2008)でも使用されている技法。あえて音を消して、観客が熱狂しているシーンを入れる。大抵は、なにか別のクラシックなり何なり、ひかえめな音を流しておく。
もちろん、佐藤健がそんなに歌がうまいはずがない(失礼)。ただし、このカットの入れ方をする限り、想像を超えるほと歌がうまいように、観る側に演出することができる。
そして、今までに顕在化しなかった才能が開花するという構図。これは、ハリーポッターや、The MASKと同じものを感じる。佐藤健は、先天的に歌がうまいという素質をもっていた。その先天的な素質が賞賛されるという、論理的にも妥当な帰結。それを実現するようにストーリーを進行するので、自然と観客は、佐藤健や彼らのバンドメンバーを応援するようになる。
そこで、白黒つかないままに後編につづく。コマーシャル的にも優れている。
忽那しおりがなかなかにかわいい。
後半は、どうせ商業主義でストーリーをだらだら引き延ばすんだろうと思い、10倍速ぐらいで適当に観ていた。うん、時間の制約がある中で、かなり伏線を回収している。
わりと良い。