a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

The Bird with the Crystal Plumage(1970) - 美術を映画と直接的に結びつける技

Dario Argento 監督

 深いストーリーだけれども、後味がさっぱりしている。ダリオ・アルジェントの特徴は、不快な感覚を残さないことにあって、たとえば犯人をなるべく残酷な方法で死ぬようしむけたり、犯人を勧善懲悪もしくは因果応報に断罪することが無い。殺すときは殺すし、殺さないときは殺さない。その潔さがあるので、鑑賞後のすっきりとした余韻が残る。

 初監督作品でこれだけのレベルが取れれば、相当に才能のある監督である。美術や音楽の素養がもともと彼にはあって、美術を犯行の契機と結びつける芸当は、彼にしか出来ない技だろう。