a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

La Chinoise (1967) -

Jean-Luc Godard監督

 

 今回うまいと感じたのは、イデオロギーを描いているようで描いていない、つまり映画に於いてイデオロギーを描くという過ちを犯すことは避け、あくまでもイデオロギー下に置かれた個人に焦点を当てたまっとうな映画である点だ。もちろん時代と状況は異なるけれども、イデオロギー自体を描くことを目的とした主に戦時中の映画とはこの観点において決別されている。イデオロギーに個人などない前提で、映画に於いてはイデオロギーに焦点を当てるよりもイデオロギーの傘の下で延々と模索を続ける個人に焦点を当てなければ、映画としてそもそも成り立たない。今回ならば、Revisionismを描くのではなくRevisionistを描けということで、「-ismから-istへ」の観点があるのが映画人として妥当であると気づくわけだ。

 話がどんどん内容から逸れそうなので一旦筆を置く。