Patty Jenkins監督。
作中のはじめからおわりまで、顔立ちがCharlize Theronだと思えなかった。メイク技術が大した水準になっている。
ストーリーは、終焉が来ることがあらかじめ予感されるような、典型的な悲劇である。主人公は連続殺人犯になるが、その殺人は本人の恋人のためであり、それは人が誰かから愛されもしくは愛したいという純粋な欲求に基づくものであったという解釈が、主人公を単なる悪者ではなく主人公へと転換させているように思われる。
本作だけではなく、21世紀に入ったあとの映画によく観られる気がする傾向として、「愛したいという純粋な欲求」を機軸として、登場人物に共感できるようなつくりにする。しかし、この機軸はあまりにも頻繁に使用される割には、変形させたバージョンを作ることができないほどシンプルなので、多少飽きた。