Rupert Wyatt監督。出演James Franco、Freida Pinto他。
明確に主人公格のサルの心境変化を扱った作品なので、作るのが難しかったと推測できる。どこまでサルに人間性を与えるのか。サルは人間を殺した時に、ためらいや後悔の感情があるのか。そういったところから湛然にサルの人間性を描写していく。すると最終的に観客がどこまで主人公のサルに共感できるかが決まって来る。
いろいろと細かいところまで作らないとぼやける。なかなかに作るのが面倒くさい作品である。
ゴールデンゲートブリッジからヘリコプターが落ちるまでの滞空時間がリアルで良かった。
小道具としての新薬について考えてみる。
頭のよい科学者が、自身の作った薬を過信してやらかすというパターン。これは映画において様々な場面で使用されている。例えば自分に投与して巨大化することもあれば、被験者として投与されて特殊な人生を歩む状況になる場合もある。
どちらにせよ普段は経験できない特殊なストーリーを、新薬という道具が提供してくれる。
本作は、ALZ-112というアルツハイマー病への治療薬がある。これをサルに投与することでストーリーが始まる。疾患を治療するどころか、疾患がない脳につかうと非常に頭が良くなってしまうのである。
滑り坂理論のように暴力が暴力を生み、サルと人間は仲良くなれないように作られている。