Bernardo Bertolucci監督。
60年代といえば、フランスがヌーヴェルバーグ全盛期なので、Godardが『気狂いピエロ』を発表した何年か後の作品。淀川長治が嫌いで、蓮實重彦が好きなGodard。それはそれとして、本作はそのヌーヴェルバーグの雰囲気ととても似ている。主人公にはストーリーがなく、凝ったおもしろい画面をかさねていくのみ。主人公は二重人格であるが、病的なシリアスさはなく、むしろどこか一線はなれた場所で開放を夢見ているような、希望的観測を撮った印象。イタリアからベトナムをながめているような感じ。冒頭のショットにあったように、当時のベトナムは南北分裂していた。