a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

Moulin Rouge! (2001) - Baz Luhrmannの悪趣味が光る。

Baz Luhrmann監督。

Baz Luhrmannの悪趣味が光るというか、なにかと凝っている作品である。ストーリー全体を入れ子構造にして、さらにそのストーリーが劇場で上映されているという入れ子を更に作る。なぜそんな余計なことをするのか、別にストーリーが劇場で上映されているという入れ子はストーリー自体の質に関係がない ! そうであるから、これは監督の力量によるものではなく、監督の趣味でそうしているのであって、それが私には悪趣味に見えて仕方がない。

一方、本作は1900年あたりのフランス、ムーランルージュの情婦と作家を主人公としているが、ミュージカル形式で使用した音楽に独自性がある。20世紀という舞台特徴を考慮することをせず、現代のポップ音楽を100年以上前に生きていた人間が歌うのである。これも悪趣味といえば悪趣味なのだろうが、私には斬新に見えた。Elton Johnの「Your Song」を歌いながら、男が女に求愛しているのである。ここまでミュージカルの可能性を広げた映画は無い。そして、映画がいかに音楽の魅力に依存し、登場人物の感情描写においては音楽が非常に効果的であることを示したといえる。