a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

Paris, je t'aime : 14e arrondissement(2003) - 観光案内のような作品を観る。

Alexander Payne監督。

パリ、ジュテーム』という、オムニバス作品の中の一作品である。

観光しているうちに、悲劇的にも自らの孤独を認識するにいたった主人公を描く。ただし、ナレーションを入れたのが作品にとっても悲劇的であるように思う。仮にナレーションを入れなかったとしても、最終的な主人公の孤独を描写することは可能で、その方が人物の孤独により観客も気づけたはず。よって、ナレーションを入れたばっかりに、そちらに気をとられてしまい、全体が観光案内のようになった。映画には、映画世界内での人物たちの認知行為だけではなく、観客の画面に対する認知が重要で独立的な影響があることがわかる作品である。