a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

Une femme est une femme (1961) - 気分の周期性を観る。

Jean-Luc Godard監督。

Michel Legrand音楽制作。

人間には気分の周期がある。普段は穏便な人であっても、ある日会って見ると「この人は私が知っている同じ人なのだろうか」と思うことがある。完璧な人だと思っていた人が、思慮や配慮に欠けた行動を取り始める。5分前にはOKと言っていた人が、突然NOと言い出す。本来人間の気分には波があるが、映画においてはその点あまり反映されていないことの方が多い。二時間の映画中、ある性格の人は終始その性格が変わらず、大抵優しく大らかな人はいつまでもそのままである。そのような事は、実際には、在り得ない。

本作が良いと思える所以は数十秒前には「Oui」と答えた女が「Non」と答え、表情はワンショットの中で笑ったり怒ったりと変容し続け、ストーリーでも他の男と寝たと思えば別の男と寝るという、その周期の程度の美しさにある。