a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

Lara Croft Tomb Raider: The Cradle of Life(2003) - アクション映画の原理を観る。

Jan de Bont監督。

アクション映画を観ていると、敵対ということの効果を考えさせられる。主人公

はある物事と敵対し、それに打ち勝つことで自分の能力を知る。しかし、その本

当のストーリー上の目的とは、主人公が自己の存在意義を知ることである。たえ

ずその存在意義を増し続けることが、アクション映画には必要である。主人公に

とっても、それを観る観客にとっても、映画は観ることで人間の自己を賞賛する

ようにできている。アクション映画に限らず、どの大衆映画も同じである。

冒頭のシークエンスで、Angelina Jolieは海中神殿で宝を奪われる。これで争奪

戦には負けたことになる。しかしここでアクション映画の哲学としては、シーク

エンス全体としては勝利にならなければならない。そこで、脱出不可能かに思わ

れた海中神殿から脱出する、という主眼に置き換えて、勝利に置き換える演出を

採る。

恋愛すらも、男女の意思の戦い合いの上で勝利する。ここまで闘争欲があるにも

かかわらず、金銭や名誉への欲は一切無い。