Alfred Hitchcock as director
私はどうもLove Birdの存在が気にかかり、実はLove Birdが鳥の大群をおびき寄せているのではないかと思ってみていた。逢引する口実として持ってきたわりには、最後の最後まで主人公たちのそばに付いてまわっていたのがこのLove Birdである。唯一攻撃的にならなかった鳥で、どうもこれはおかしい。もちろん本作はサスペンス映画のプロットに沿っているので、大群がやってくる論理的回答がやってくるはずは無い。もしうっかり回答したら、それはSFである。HitchcockはSF映画は撮らない。
しかし、どうも私にはカラスの大群よりも、一匹のLove Birdの方がこわい。もし家にインコを飼ったら、鳥の来襲を受けるのではないか。作品の拡大解釈だとは承知しているが、そういう観方も許せるのが映画鑑賞のよいところであると楽観して愉しめる作品である。