Ifa Isfansyah監督
東南アジア映画の勢いがすごい。洋画と邦画のストーリー構成を吸収、よく勉強し、安定感のある作品に仕上がった。フレーミングも、洋画の一般的な手法を踏襲した。野暮な医療・恋愛ストーリーのはずが、どこか今までの映画と違う。それはインドネシア独特の間の感覚であり、時間や人間性をどう許容するかに関わっている。この国際的な文化の目というフィルターで、映画の既成概念はどんどん変容していくだろう。映画の新規性を、新興国の監督たちに委ねる理由がここにある。もっとも、第29回東京国際映画祭でも本作は満員で、熱心な追っかけが会場に居たくらいであり、すでに新興国やアジアの映画はブームになっているのである。