Charlie Chaplin as director
めずらしく全編一人芝居である。おとろえることのないパントマイム芸を堪能できる。映画としては余興的な作品だとすれば、劇場が夜11時に閉まって、真夜中1時からひっそりと始まる内輪の芸、というような感じもただよう。階段を怪我せずに転がり落ち続ける様など流石である。
チャップリンが喜劇王だという声もあり、確かにハロルド・ロイドはサクセスストーリー、キートンはペーソスでそれぞれ同時期に売れたが、個人のパントマイムだけで30分は作れなかった。チャップリンこそ喜劇王だともし主張しなければならないのだとしたら、私は本作を理由に出す気持ちもある。