Orson Welles監督
後に別監督が『オール・ザ・キングスメン』を公開し、立身を目論む知事の立候補者をテーマにしたが、それに似た前編を持つ。後編は、恋愛の破綻である。本作はこの意味で二部構成であった。全体を通して、愛情を欲し、しかし他人に決して愛情を与えようとしない、Kaneを描いた。Orson Wellesの性格が憑依しているとみて間違いない。果たしてハリウッドの大衆の何人が、その精神についていくことができるか、そう考えた時に本作の興行収入が低かった理由がわかるものである。あまりに主題が暗い。(技術は賞賛しても仕切れないほど高い。)