a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

2017-01-01から1年間の記事一覧

How The House was built to The Kitten (1963) - 働く車

Roman Kachanov監督 迷える子猫が街をさまよい、無事に持ち主の家に帰るストーリー。幼稚園生であった私は、NHK教育テレビで働く車がお互いに会話するアニメーションを見た気がする。その30年以上も昔に、本作は工事に使用する車を擬人化した。 (クレーン)

Alesha's Tales (1964) - アニメと実写

Roman Kochanov監督 アニメーションのシークエンスと、実写のシークエンスが交互に示される形式として、完成度の高い作品となった中で私が知る限り最古の作品である。少年が一人でおもちゃ遊びをしている。そのうち、想像力が先行しはじめ、遊びの世界のアニ…

Little Masha and The Bear (1960) - 丁寧

Roman Kachanov監督 丁寧に制作された、可愛らしい作品。

The Portrait (1965) - ありきたり

Roman Kachanov監督 ありきたりなストーリーと、使い回された主題でできたアニメである。これをロシアの美的感性で表現すると面白いことになるとわかったのが本作のアニメーションである。 (動物を擬人化した作風だ)

Rivals (1968) - 異国風

Roman Kachanov監督 異国風の題材を用いて、映画制作風景を混ぜながら話を展開する。独創性のある作品である。 (化け物の回想をする老人。)

The Miracles of Technology (1986) - 新旧

Roman Kachanov監督 旧来のSFのようでありながら、新鮮味の溢れるSF。

The Injury (1962) - 緻密

Roman Kachanov監督 緻密なアニメーションであり、毛糸を主な描写の道具としている。

Mama (1972) - 危機感

Roman Kachanov監督 子供をひとり家に置いて、子供のことが心配な母親を描いた。母親の移動速度に緩急がある点と、映画と同水準の俯瞰ショットが特徴的。 (急ぎ家へと戻る母親)

A Drop Too Much (1954) - 酔っ払い運転

Břetislav Pojar 監督 飲みすぎて理性を失ったバイク乗りが、道路をどんどん加速していく人形アニメ。そのアニメーション方法が、飲酒運転の主題の中ではユニークであり、ゆらゆらと加速する主観ショットがおもしろい。

Ju Dou (1990) - 染物

Zhang Yimou、Yang Fengliang監督 染物の色を映像として活かした作品。奴隷のように虐待される女の怨恨が、別の怨恨を産んでいく様を流暢に描写している。

The Triplets of Belleville (2002) - マゾ

Sylvain Chomet 監督 かなりマゾな作品。ツール・ド・フランスに参加する選手たちがかわいそうに見えてくる。主題がひとつしかないのでわかりやすい。スタジオジブリの作品を見返すと、そこには複数の主題が常にまじっていることがわかる。そういうアニメ作…

A Little Romance (1979) - 映画愛

George Roy Hill監督 監督の映画愛を描いた作品としても観れると思う。というのも、随所に漂う映画への愛情と、人間愛に満ちている作品であり、主人公の少年が映画好きである。王道的な恋愛ストーリーでありながら、主人公たちが少年であるユニークさを備え…

Someone Like It Hot (1959) - 脚本の良さ

Billy Wilder監督 ストーリーが面白い。男二人を女装させ、それぞれ錯綜した恋愛劇を展開する内容である。

The Mitten (1967) - 跳躍

Roman Kachanov監督 アニメーションに物体の速度を感じさせる作品である。的確に入る犬の主観ショットはすばらしいという他ない。アニメーションの醍醐味は現実世界には存在しない速度の表出にあると私は信じているので、ストップモーションで作られた本作に…

Begin Again(2013) - 工夫

John Carney監督 シンガーソングライターとプロデューサーの、恋愛映画。正確には恋愛未満で終わる二人と、それぞれの元恋人や妻との恋愛が成就していく話。つまり、ありきたりなストーリーだ。プロットと、エンドクレジットに工夫があり、2010年代らしさが…

M (1931) - 口笛

Fritz Lang監督 少年ばかり狙う連続殺人の話。主観ショットのタイミングが巧みであり、かつ口笛が、盲目の浮浪者によって感知され犯人検挙に繋がるという、映画で鮮やかに描写された良作であった。この短い口笛の旋律は、妙に耳に残る。Peter Lorreの演じた…

Rear Window(1954) - サスペンス

Alfred Hichcock監督 サスペンス要素が満載の作品。面白い。

この世界の片隅に(2016) - 日記風

片渕須直監督 シークエンスが短く続くため、日記風の戦争描写に見える。

Forbidden Games (1952) - 墓

René Clément監督 綺麗な画面である。少女が死んだ犬を埋葬し、次々に墓を作っては十字架を盗んでいく。

The Creation of Birds(1972) - 自然

Frédéric Back監督 人間が自然と楽しく過ごす。そして子供が春の恋しさに泣くと、空が春を持ってきてくれる。人間と自然はコミュニケーション可能な主題を持っていて、本作だけではなく監督の生涯の主題でもある。それが現代社会の問題点と繋がるかというと…

INON OR THE CONQUEST OF FIRE (1972) - 火

Frédéric Back監督 火のアニメーションが表現豊かである。一見の価値がある。 (火)

THE MIGHTY RIVER (1993) - 母なる海

Frédéric Back監督 監督の以前の作品ではナレーションが無かった。単純な構成、普遍的テーマを伝えることができたが、ナレーションを得ることで、そのテーマと史実を融合する複雑な構成が可能となった。海の描写は他のアニメーションのクオリティの追随を許…

Crac! (1981) - 安楽椅子

Frédéric Back監督 前半の村での楽しい出来事と、後半の都市という悪い存在の描写にわかれる。安楽椅子が一つの主題であり、過去の村の出来事を回想する単純な構成であるが、インパクトは大きい。椅子が前後するとスカートが舞い、その描写が綺麗である。 (…

Abracadabra (1970) - ディスコミュニケーション

Frédéric Back監督 世界を平和にしていた太陽を奪われてしまい、楽しく会話できなくなってしまった各国の子供が、太陽を偶然にも取り戻す。本作は、太陽を隠しにきた悪が、なにを表象しているか明らかでないため、単なるストーリー色が強い。 (国際色豊かな…

All Nothing(1978) - 虹

Frédéric Back監督 監督のテーマは生涯共通なので、『Taratata!』と根底が同じ作品。物欲が、どのようにして人間を暴力的にし、その幸せを奪うかを描く。最後に、その幸せを想像するかのように、口をへの字にふさぎ、その口の輪郭がクローズアップされて虹が…

?ILLUSION? (1975) - 都市悪

Frédéric Back監督 都市を悪ととらえる簡単な構図なので、見やすい。その都市は、金と欲望、ドラック、個性を無視した単一化、生きがいのない労働、精神的な重荷へと連関していく。単純な構図なだけに、普遍性を帯びる。 (うさぎ好きにはたまらない)

Taratata! (1977) - 夢

Frédéric Back監督 パレードで構成される前半部と、子供の夢を垣間見る後半部からなる。パレードでは多種多様な人間模様の後を追うように、近代化された工場や、原子力発電所が続くのが印象的。子供の夢は、同世代の人たちと仲良く楽しく生活することのよう…

The Man Who Planted Trees(1987) - 健康

Frédéric Back監督 淡い色彩がとても健康的に見える。日本でいうジブリ映画の感覚と、根底で主義がつながっている作品だ。数々の映画において、事件、不調和、破壊のエピソードを利用して人間という存在を炙り出そうとする。対照的に、平和、調和、非破壊の…

Flora (1989) - 遊び心

Jan Švankmajer監督 植物が集合して人型になっているが、徐々に枯れて分解されていく。見ると、ベットの上に縛られており、傍にある台にはコップに水が入れてある。人型は水が飲めなくなって、枯れているようである。遊び心が垣間見える作品。

Animated Self-Portraits "Jan ?vankmajer" (1989) - 性格

Jan Švankmajer監督 アメリカ、ユーゴスラビア、日本などのアニメーター29名が自画像をテーマにした『Animated Self-Portraits』に収録されている。Jan Švankmajerの茶目っ気な性格が明らかとなる作品である。 (Jan Švankmajer)