a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

2017-01-01から1年間の記事一覧

Down to the Cellar (1983) - 想像力豊か

Jan Švankmajer監督 監督の想像力の豊かさが堪能できる作品。極めて上手くまとまっている。 (石炭のベットで眠る男)

The Fall of the House of Usher (1980) - 粘土

Jan Švankmajer監督 ナレーションと共にアニメーションが進む。粘土の湧き上がる様がナレーションに伴い、効果をあげている。

Meat Love (1989) - 勢い

Jan Švankmajer監督 牛肉がスライスされると、やがてふたつのスライスが恋に落ちて踊りだし、最後にはステーキにされる。目新しい作品ではない。 (踊り出す牛肉)

The Garden(1968) - 不吉

Jan Švankmajer監督 監督はアニメーションの描写だけでなく、実写にも優れていることがわかるショートフィルムである。庭の周囲を立っている集団は、ナンセンスな行為を延々と行なっているということで、不吉な予感を感じさせる。この主題を2時間かけること…

Johann Sebastian Bach: Fantasy in G minor (1965) - 音楽

Jan Švankmajer監督 クラシック音楽を流れる映像とリズム一致させるという主題は、現代ではアクション映画を除いてあまり見られない。シネマスコープで、バッハの音楽とリズムを一致させる作品は、本作をおいて他には知らない。貴重な試みである。 (黒い背…

The Last Trick (1964) - 生命機械

Jan Švankmajer監督 人形劇である。人形の中は、ゼンマイ式になっており、生身と機械が混在する世界観ができている。しかし、思想はない。初監督作品である。 (二つの人形が登場するが、相互にはミスコミュニケーションである点も監督の主題である。)

The Pendulum, the Pit and Hope (1983) - 巧み

Jan Švankmajer監督 巧みな描写手法の短編である。クローズアップが多い。 (恐ろしげな殺人装置)

Leonardo's Diary (1972) - 日常

Jan Švankmajer監督 解剖の描画が登場し、やがて日常の風景が実写され、若者の笑顔と共に終わる。明るいマーチの音楽と、笑顔の実写を入れれば、映画の作風を明るくすることは容易いとわかる。アニメーションの対象は様々に分解され、『Virile Games』などの…

Castle of Otranto (1979) - 挿絵

Jan Švankmajer監督 小説の挿絵をアニメーションで上手く動かして、音楽を対応させた。新規性は薄いが、綺麗な作品である。

A Quiet week in the House (1969) - 芸術

Jan Švankmajer監督 七部構成。小刻みに揺れる描画が多く、監督の中で最も綺麗な映像かもしれない。全体を通してストーリーはあるが、哲学的な主題が薄く、結果として綺麗な描画に重きがある作品と言っても良さそうだ。 (描線。実際は小刻みに振動しつつ運…

The Death of Stalinism in Bohemia (1990) - 風刺

Jan Švankmajer監督 政治家の粘土人形を解剖するシーンから始まる。風刺に始まり、歴史的叙事を写真や実映像を挟みつつ、上手くまとめられている。粘土によって描写の幅が広がり、短い時間で多くの風刺効果をあげた作品である。 (主導者の口からパンが供給…

Dimensions of Dialogue (1982) - 放棄

Jan Švankmajer監督 三部構成。人型が互いに相手を粉々に分解し、再構成し合う第一部に表現の新規性がある。そして、第二部は男と女が登場し、第三部ではコミュニケーションの不全が描かれる。 (第一部は、野菜で構成される人型と、機械で構成される人型の…

The Ossuary (1970) - 納骨堂

Jan Švankmajer監督 プラハの東に行くと、礼拝堂が人骨で装飾されているセドレツ納骨堂があるという。鎖骨や肋骨、上腕骨を組み合わせてアルファベットを作る、という具合である。音楽に合わせて画面を動かし、クローズアップ、パン、ショットを切り替えする…

Punch and Judy (1966) - 陽気

Jan Švankmajer監督 陽気な音楽と共に、有名な「Punch and Judy」をショートフィルムに収めた。Jan Švankmajer監督の作品群の中では、陽気な雰囲気の部類に入るが、それはハンマーがミニチュアであり、殴打の音に愛嬌をもたせているためである。閉塞感を描写…

A Game with Stones (1965) - 粘土

Jan Švankmajer監督 アニメーションの習作として鑑賞できる。石が、粘土と岩石の両方の視点から描写される工夫がある。

Darkness/Light/Darkness (1989) - 囚われる

Jan Švankmajer監督 狭い部屋に、人間のパーツが押し寄せてくる。それぞれをつなぎ合わせて、人間の粘土人形ができる。人形は狭い部屋に囚われの身となり、部屋は暗転する。主題として新しいということはなく、手法としても新規性はないように見える。

Food (1992) - 飢え

Jan Švankmajer監督 三部構成である。行為としての食事を嫌悪するという主題で、朝食、昼食、夕食をそれぞれ風刺する。飢えのために食事を行うが、その行為によっては飢えが無くならず、いつまでも貪欲であり続ける点に、それを憎悪する理由を見出しているよ…

Virile Games (1988) - 試合

Jan Švankmajer監督 サッカーの試合をする赤チームと青チームの粘土人形がいる。試合が進むと、それぞれが残虐に殺し始める。有名なショートフィルムである。その試合を観戦する人は、ビールにさらにアルコール度数の高い飲料をショットグラスで足し、ビール…

Picnic with Weissmann (1962) - 落葉

Jan Švankmajer監督 ピクニック始まり、楽しい音楽が始まる。次第に、ピクニックは終わりへと向かい、チェスの駒はキング以外いなくなり、閉塞し始める。作られた世界は、落葉によって終幕を迎える。 (終わりゆく遊戯。駒には石ころ(ナンセンス)が一つ混じっ…

Historia Naturae (Suita) (1967) - 統一

Jan Švankmajer監督 生物の進化を描写する。生命の統一という主題は、現代映画においても時々語られることがある。それを正面から取り組むこともあれば、高尚的な印象をとってつけるために利用することもある。 (ホモ・サピエンスも最後には骨標本になって…