a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

おおかみこどもの雨と雪 (2012) - 破天荒な設定の上に魅せた、子供成長の物語。

細田守監督。 本作は、一橋大学に通う真面目な女の子が実直なオオカミ男に恋をして、二児をもうけて大学を中退したあげく、山里に引っ越して一日に畑を幾つも作って中学生まで育て上げる、という破天荒な内容である。そんな内容が、最初は不自然で、ベタで観ていて恥ずかしいなぁとすら思ったのだが、次第にとけ込んでたのしくなってくる。それは、タイトルが宣言しているとおり、これは母親の物語ではなくて、オオカミと人間という二つの背反する性質を持つ二人の姉弟の物語だからだ。母親の超人的な行動は、シナリオのためのお膳立てである。もともとファンタジスティックな前提を持つ映画である。 メイン音楽が綺麗で、舞台が大自然であるというのが良い。登場人物の「雨」が自然へ帰るという成長を見せるのと、「雪」が人間社会へ入るという成長を見せて、ハッピーエンドとなる。