北野武監督。
大衆娯楽としての作品としてなかなかの作品であった。娯楽としてのストーリーもよい。撮り方もよい。そして何より、配役たちのスーツと車の色取り取りさが良い ! そこで極言すれば、渋い配役たちのスーツの着こなしを眺めるための映画である。娯楽映画だもの、そのように言ってしまって差し支えない。
コシミツ大臣がSMプレイに興じている写真、マル暴の片岡がしている黄金色の腕時計、そして先述のスーツなど、小道具の使い方に監督らしさが大きく出ている。
監督らしさは撮影法にも現れており、画面の淵を利用し、淵のぎりぎりに人物の顔面が入りきらないようなショットを基本とする。その上で実際に喋っていない人物を画面の中心においたり、会談している様子は卓を中心にカメラを衛生軌道のように回転させて撮るなど、監修を惑わせるようなトリッキーさをみせている。