a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

The Fantastic Four (2005) - 4人主人公の良さが生きる作品。

Tim Story監督。

「Superhero Movie」を観た関係上、再度視聴した。

四人が主人公になっているというパターンは、珍しいわけではないが、あまり普通のことではない。4人の同じ境遇の人間があつまれば、誰かが悲嘆し、もしくは誰かが悪の道に走ろうとしても、他の誰かが止めることができる。男のメンバー同士の口喧嘩が白熱してきたら、女が落ちつかせることができる。そのため、主人公の多い映画の一作目では、ヒーロたちは道徳的に逡巡することが起こらないのだ。

それにひきかえ、可哀想なもうひとりの宇宙線をあびた男はどうだ! 彼はメンバーの4人に入っていない。ひとりで会社の負債をかかえて、悩み込んだ挙げ句、殺人にはしってしまった。彼もFantastic Fourに入っていれば、殺人を犯すまえに誰かが止めにはいっただろうに。

だから、ストーリーに悪役を作りたかったら、チームを分割して一人をつくればよい。3:1でも2:1でも、そうすれば残った一人は勝手に逡巡し、人間の心理の奥深いところにまで迷い込み、そして今までの善良で適性な感覚をもった彼ではいられなくなるのである。

炎人間がふっとんで、広告看板にぶちあたって、描かれていたハンバーガーを焦がしたのが面白い。