a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

License to Wed (2007) - ラストの窓辺と浜辺のシーンの単調のこと。

Ken Kwapis監督。

Robin Williamsはついに本文章を執筆している昨年に、死んでしまった。彼が出ていた映画で日本で有名といえば、『ジュマンジ』と『ナイトミュージアム』。日本人受けしているファミリーコメディーによく出ていた。

ジャン・ルノワールやベルトリッチにくらべれば、窓の使い方が物足りなかった。最後、彼女は二階にいて、婚約者の男が外から呼ぶ。窓から覗いてみれば、浜辺には彼が結婚式で提出する愛の言葉が書いてある、という内容。このストーリーのラストを、彼女があるいてカメラが後ろから従順に付いて行くという普通のカメラワークで、しかも結局切り返しショットでお互いに会話をさせる。これでは風景と人物がまざりあって感動する場面がない。これは、パースペクティブにおいてストーリーを画面内に追う画面である。それは叙事的なのであって、映画的ではない。故に、映画的な感動はあり得ない。極めて単純な事実を教えてくれる作品なのである。

他のシークエンスについても、大抵単調であった。本作を観るのは、Robinを追悼するという意味合いが強いのである。どの作品においても、大抵は変人であり、主人公のストーリー形成を偶然の遭遇で支える役である。そのストーリーを上昇させる要因のためには、多少むりがあったり、変人であるような役である。そして最後のシークエンスでは笑顔で主人公を見送る。すべてがそのような役であったら、その俳優の中には複雑な心境もあったと推測することは自然である。