Radu Mihaileanu監督。
4 Novは、この記念すべき映画がフランスで公開された日にちである。これはフランス映画祭で観客賞を受賞し、第35回セザール賞の音楽賞と音響賞を獲得している。しかし、音源やオーケストラ描写自体はそこまで特筆すべき点はない。Aleksei Guskovの指揮法は滅茶苦茶であり、本来の指揮法とは全く懸け離れており、演技すらわざとらしい。Tchaikovskyのviolin concertoは様々な演奏家が音源を残しており、本作のチャイコフスキーの音源でスタンディングオーベーションになる筈はないのであるが、それはご愛嬌である。
私は、本作の優れている点として以下を上げたい。
・オーケストラという音楽でいくらでもストーリーや感動を演出できるテーマを扱ったにも関わらず、生き別れの父娘の再開というヒューマニズムで勝負した点。
・アメリカ映画が2015年時点でいまだにロシアの人間を悪役にしたてるが、本作はロシアでの文化迫害を、ストーリーの発端としている。そのテーマをフランスが採用したという点が独創的である。