a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

Frequency (2000) - 未来と過去という名の異国を、ある周波数が繋ぐ。

Gregory Hoblit監督。

『Flight of the Phoenix』のDennis Quaidが出演している。消防士の父を無くした男が主人公。ある日オーロラが出現する。するとSFという名の偶然が働いて、一昔前の父親とラジオで交信できるようになる。面白い発想である。

ある猟奇的殺人犯が居り、運命の歯車が変わることで彼の母が犠牲になる。そこで、父にその事実をあらかじめ知らせて、その殺人犯を追いつめる話である。このストーリーが良かったのは、過去においては誰も未来の事など想像ができないので、警察にはその話をせず、父親が一人で犯人を追いつめることが自然に見える。よく、警察や周囲に相談し強力を求めればよいものを、主人公が単騎で敵に挑んで行くストーリーの映画が多い。これらのストーリーの場合、現実においてはそこまで都合よく事が運ばないこと、そして街や世界にはたくさんの人間がひしめき合っているという事実を、まったく考慮しない。その点、本作は警察や周囲に助けを求められない納得できる理由がある。納得できるように、より合理的にストーリーを組み立てているわけだ。『Frenzy』のように異国で事件に巻き込まれること、本作のような過去や未来の予言にまつわること、『About Time』のように主人公にSFかファンタジーにまつわる特殊能力があること、いずれも主人公が単騎行動するには合理的なストーリーである。これらの中で、現実世界で実際に起こりうるのは、異国で事件にまきこまれる状況のみである。『Shertering Sky』や『サヨナライツカ』のように、異国には大きな可能性が含まれている。

追記:主人公が軍人である場合、もしくは警官であるという職能のケースは、単騎で戦う状況が発生する可能性がある。ただし、軍人は『platoon』『ランボー2』のように異国での戦闘においてもっとも孤立して戦う。