a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

Bad Girls (1994) - 女4人カウガールで主人公となる、めずらしい映画。

Jonathan Kaplan監督。

女4人がカウガールとなったウエスタン映画である。主人公全員を女にしたことが珍しいので、面白い映画。

Madeleine Stowe、Mary Masterson、Andie MacDowell、Drew Barrymoreという、演技力には疑問もあるがその後も活躍する女優たちが出演している。四人も集まって、全員出世しているという点もなかなか無い。

四人は売春宿で働いている娼婦で、そこに聞き分けの悪い男客がやってくる。四人のうちの一人がそいつを射殺し、放浪生活へと入る。別のひとりが、土地を持つ権利書を持っていると言い出し、全員が地主として悠々自適の生活を目指して便乗するのである。結局、権利書は無効であったのだが。

男が主人公であれば、敵が出現し、その敵と対決することでストーリーが形成されがちである。男が好戦的であるということと、男の職務的動機が重要になるのである。女では、好戦的ではないが故に、敵が出現した際にはそれを防衛するというストーリーになった。そのため、男がかならず挑発しにかかり、メンバーをさらったり、陵辱しようとする。それに一つ一つ対処するという形でストーリーが進む。こう分析すれば、なにも女を主人公にした映画の作成は難しい理論ではなく、好戦的かどうかという性格を加味するだけで、これも量産可能である。それがなぜ、本作がその観点で極めて稀な作品であるのかは、不明である。女役者が不足しているわけでもなく、観客も私が目黒シネマで観察するかぎりはその半分が女性である(2015年5月時点)。