Stanley Kubrick監督。
この映画の本筋は、HAL9000を切断してから何が起こったのかという詳細に尽きる。そこで何が起こったのかが、鑑賞者がもっとも気になって仕方の無い部分であるにもかかわらず、詳細は語られていない。気づいたら、すでに宇宙人となった存在が地球を眺めており、壮大なクラシック音楽をかけ流しながら終わる。しかも、エンドクレジットが終わったにもかかわらず、音楽だけは書け流されたままである。
これはおかしい。映画とは、普通はエンドクレジットが終了したらかかっている音楽も終了するように、音楽の側が都合よく切断されるように作られている。音楽を聴くことが映画における狙いの本質なのではなく、映画が補助的に表現手法としての音楽を援用している立場があるが故である。しかし、本作は音楽によって映画の筋が表現されているような節がある。この主従関係が逆転しているように見えてならない。
ストーリー自体も面白い映画であるが、音楽の使い方には目を見張るものがある。