Stanley Kubrick監督。
どのような映画にしても、登場人物の存在する空間全体の描写には、無知にならずにはいられないものである。本作品は人物顔のdetail shotから、わざわざ丁寧に引いて登場人物がどのような空間にいるのかを描写するようにしているようだ。
その描写された空間にも特色があり、それぞれの人物の感情やホテルの雰囲気なりが、音楽によって共有されており、空間と密接に結びついているように思う。不協和の音楽が作品全体を梁のように支えているので。もしくは、人物が変わっても音楽が連続して流れており、ホテルという空間の連続性を示さんとしているので。
素直に観て、画面の取り方が上手である。天晴れである。ところで音楽はBartok Belaが採用されている。指揮はKarajanである。