Sam Raimi監督。
雪の山奥で、偶然にも大金を見つけてしまい(額数億円)、警察に隠してその金を盗んだことで起こった悲劇を描く。ハリウッドにある典型的なストーリーと、典型的なカメラワーク、そして典型的な映画音楽をもっていて、想像の域を超えない映画である。
それはそれとして、映画が商業的になればなるほど、映画は製作を失敗することができなくなる。聞いた話では、そのような状況下になると、プロデューサーは企画段階で、成功する説得性のある企画しか通さなくなる。その結果、既に売れたことのあるベストセラー本、まんが、ヒット作の続編もしくはリメイク、というある程度限定された方向性でしか創作ができなくなる。Sam Raimiは、この作品の後に『スパイダーマン』シリーズを続投しているが、やはり既に売れた実績のある本やまんがの実写化で、監督としての生計を立てていくことになった。
・
日本の最近の映画など、最新作はどれを観ても漫画の実写化か、そうでなければベストセラー小説の実写である。独自の書き下ろししたシナリオで映画を作ることなど、北野武や三谷幸喜か、あまり他に思い浮かばないがごく少数である。