Tom Tykwer監督。
『パリ、ジュテーム』という、オムニバス作品の中の一作品である。
特に感想の沸かなかった掌編である。しかし、登場人物のひとりが盲で、その二人のラブストーリーであるという点はユニークであるかもしれない。世の中の一定人口はなにかしらの障碍があるはずで、映画世界の中にも彼らが居ることは当然でもあるし、またそうあるべきであると言う人もいるだろう。ただし、いくら彼らを登場させたからと言って、その新規性はあと一世紀もすれば完全に慣れて失われるであろう。また、登場人物が障碍者であったとしても、ストーリーの展開と、その展開が互いの認知によって駆動されるという土台はかわらない。そのために、障碍者が登場しているものの、ストーリーとしては陳腐というケースが発生するであろう。要するに、ストーリーをどう展開するかが、映画において大切なのである。