John Williams音楽監督。
撮り方がうまい。そして、このシークエンスを見せられたら泣いてしまわずにはいられない、とでも形容できそうなシークエンスを入れるのが上手い。最期はそのシークエンスを入れるためだけに2000年後の人工知能体を設定したようなものである。
一方で、あまりにも先回りされてしまう頭の良い映画で、快感を感じる前に不思議な印象を持ってしまう。もちろん、上手いので画面から離れることは出来ない。しかし、このシーンで観客はこういう感情になって... という製作者の意図が透けるような気がするまでの明瞭で厳密なショット構成が、かえって私は苦手かもしれない(ただの天邪鬼か)。そこで『アイズ・ワイド・シャット』のような、どう感情を持てばよいか困る、意味不明な館が中核にある方が好きである。
とはいえ、ここまで観客の感情を明瞭な筋書きで持っていけることと製作者のその意思は、実力の証拠である。これは映画の教科書である。