Fernando Meirelles監督。
Rachel Weiszは実際に妊娠しており、プライベートと映画製作がうまく被ったということである。
本作は、2時間の尺の割にはかなり沢山の軸があったように感じる。製薬会社の利益追求の問題(これは南北問題という専門用語がある)、夫と妻の愛情、そしてサスペンス。これらは上手く描写できた順である。どちらかと言えば、後半はサスペンスが多少だらけて冗長に見える。むしろ、ハンドカメラによるアフリカのロケ撮影と、現地のエキストラの使い方の上手さが際立つ。それは『裸足の1500マイル』に勝るとも劣らない。また、夫と妻の愛情に関しては、冒頭は多少駆け足に、そして後半はRachel Weiszばかりに重点を置いてより丁寧に撮影してしまうので、肝心の"The Constant Gardener"は粗雑な印象を受ける。彼はだんだんと妻のような性格になって、最期には自暴自棄に死を受け入れてしまったような、おおよそ妻の持っていた内面的な強さとは正反対の、ひ弱な男にも見えてしまうような構成であった。
全体的には、様々な映画要素を一度に堪能できる良作である。