a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

Deux ou trois choses que je sais d'elle(1966) - コーヒーの水面を観る。

Jean-Luc Godard監督。

コーヒーの水面のdetail shotという特徴的なシークエンスを持つ。男はカフェ

でコーヒーをぼんやりと眺めながら、思考にふけっている。どのような思考をし

ているのかは、カメラが正面から男を捉えても、側面から捉えてもその真実に到

達することはできない。そこで、あえて俳優達は言葉によって朗読をする。言葉

がなければ、映画は真実には到達できないということである。監督はその姿勢を

明瞭にするために、わざと俳優たちを行為の途中でもカメラに向かせて、今思っ

ていること=意識、自分の歩んできた過去=歴史、を語る。

自らの意識について思考をめぐらせ、それに疲れたらタバコをふかすというのが

、フランス流というかゴダールヌーベルヴァーグ流である。