a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

The Piano (1993) - 不思議な距離感覚の映画を観る。

Jane Campion as director

建物の位置関係に対して面白い着眼点に気づいた作品。女の主人公が不倫をする話である。夫の家と、不倫先の家はどれだけ離れた距離にあったのだろうか? 本作を観ると、ひとつか多くてもふたつの移動ショットをつなげただけで、この二つの家を往復できるようである。ふたつの家だけではなく、他のあらゆる場所についても、ひとつの移動ショットで歩いて行くことができる。この未開の土地の面積規模はどれほどなのだろう。

もしくは、映画とは距離跳躍の可能なストーリー空間である、と言って良いのだろうか。