a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

Suspicion(1941) - 史上最悪の男

Alfred Hitchcock監督

 

 金使いが常人離れしており、なおかつ嘘をつく男というのは人類の中で極悪の部類に入るに違いない。というのも、金使いの感覚は容易には矯正ができず、むしろその感覚を完全に開き直って周囲をまきこむ図々しさがあるからだ。今回の作品は、その極悪の部類に入っているかもしれない夫に対する妻の不審を描いたものである。

 ラストのストーリーの落ちについて賛否がわかれる。私は、今回のCary Grantを完全な悪役としてみているので、終幕した後に結局Joan Fontaineはだまされた挙句に殺されたのだと、勝手に想像している。つまり、作中の彼の言葉を信じるのであれば、彼は殺しをしていない善良な人間であったという落ちであるが、私はどうも彼の言葉について「suspicious」だから、彼はやはり断崖のあの場においても嘘をついていて、いずれは妻を殺す予定であり、いつまでもサイコパスなのだと思う。