a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

心霊写真 (2004) - タイ版貞子

バンジョン・ピサヤタナクーン監督。 タイ映画。

「心霊写真の人物は、その写真に映っている誰かをよく知っている人間なんだ。愛着や恨みがある人間なんだよ」と心霊写真の専門家が言う。ここまでは型通り。「霊が伝えたいことは写真の中に表現されている」といわれ、だんだんとはねられた女の素性を明かすストーリーへと転換していく。

霊が突然登場する時に、効果音を大音量で入れる。視覚効果と音響効果の掛け合わせを期待しているのである。

カップルの二人が、いちゃいちゃしながら車を運転している夜道で人をはねたので、基本的には主人公らに同情がしにくい。そして、彼らが心霊写真があることを隠しに隠すので、なおさら同情しにくい。因果応報の理論である。どうなってもしるか、と思うわけである。あくまで私の考え方であるが、、

こういうホラーが登場人物に起きた時に、それを周囲の人間に相談するかしないかの選択で、その国の民族が個を大切にするのか、集団を大切にするのかの性向がわかる。タイ王国は集団性を重んじるものだと思っていたが、この映画に出て来る主人公は、完全に個人で自律的に動いて解決しようとしている。カップルがお互いにすら話さない始末である。相当に自主性が強い民族のように映るのだが、その性質はこの映画だけなのであろうか。

もうすこし主人公たちの友達やら家族やらを重点的に移してくれたら、少しは感情移入できただろうにとは考えた。

結局、女の子は大事に扱わないとねという話らしい。それはその通り !

もう一つわざとらしさを感じた点として、効果音でなんとか恐怖感をごまかそうとしている。