Jacques Demy監督。
全編がミュージカルという映画。Michel Legrandの音楽が非常によい。
それぞれの音楽同士は、登場人物の感情や、直近の次の幕と調和していなければ綺麗には聞こえないと思われる。本作はそれが見事に親和している。ただし、私は時折入るJazzテイストの音楽は好きではなかったが。主人公たちの感情に懸け離れているように感じたのである。
本作中の映画世界である劇場で観劇するのであるが、その途中に主人公たちが歌いだしたら、哀れなまでに可笑しい。もちろん本作中ではそのような真似はされていないが、映画における音楽は、映画世界上の物理的な音楽と、人物の感情を示す音楽と明瞭に使い分けられていることの証明がここにある。