Joe Dante監督。
普段はおとなしい、ぬいぐるみのようなモンスターが水をかけられることで凶暴なグレムリンへと分裂する。グレムリンは好戦的である一方で、ロック音楽を聴きながら集団でもりあがる。さながら人間の属性の一部のようである。娯楽映画の典型なのであるが、本来的な作品の意図には、遺伝子組み換えや新しいホルモン剤を研究している近代科学へのアンチテーゼや、人間本来の自然性を無視して高層ビルを乱立させ続ける資本主義へのアンチテーゼがこめられている。特に、その高層ビルのテナントの一部に遺伝子組み換えの研究室がはいっており、両方の問題がひとつの場所へと内包されているところがおもしろかった。