a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

Melancholia (2011) - 前半のけだるさが良い。後半は意味不明である。

Lars von Trier監督。

監督の作品は、かならず部が別れている。オペラの影響を受けているのだろうか。

冒頭に登場した絵画は、『惑星ソラリス』でも使用されていた。多少なりともA.Tarkovskyの影響があるものと思われる。

第一章では、ながながと続く披露宴の中に、かくされた人間模様がうまく表現されていた。冗長ともいえる時空間の中、冗長さの中にしか現れないような、人間のおろかさや怠惰さ、強情さの発露が見いだされたような印象があった。 しかし第二章になると、まったく別の作品にでもなってしまったかのような転換になる。たったひとつの映画音楽を使い回して、印象のみを焼き付けようとする。惑星が衝突するという極限状態の中で、主人公たちの人間性や人間模様が描写されることを私は期待していた。現実には、うつ病の人間がもっとも危機に対して諦念できるという事実を説明するためだけの映像。これは映画のストーリーとはあまり言い難い。そもそも、そのような説明は主演のKirsten Dunstの演技ではわからず、助演のCharlotte Gainsbourgの「うつ病ではない、いわゆる精神的に健康な人間」の演技がうまいから、かろうじてわかる。