a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

Explosion of a Motor Car (1900) - カット編集の基礎。

Cecil Milton Hepworth監督。

車が爆発するということのみをストーリーとしているにも関わらず、実際に車を爆発させないという怠惰な作品。非常に低予算的である。

重要なことは、その車に人が乗っていて楽しそうに万歳しているところである。これでは実際に人を巻き込んで爆発されられない。すなわち、カットすることで煙のただよう残骸のみがのこるショットを連結させる。まさか人が実際に乗っているので爆発しないだろうと思うところが、観客を逆に驚かせるのである。

これは、観客にまったく気付かれないように隠蔽するという逆の意味で『Stealing Beauty』の主人公が麻薬で嘔吐するシーンに応用されている。すぐ直前まで喋っている人間が、とたんに吐くということは、実は演技的にはむずかしい。口に大量の液体を含めた状態では喋る事ができない。そこで、喋り終わった状態で一度カットし、口に含んだ液体を吐き出すショットを連結させるのである。