a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

Police (1916) - 映画における影の使い方の源流を観る。

Charles Chaplin監督。

「Let me help you to go straight」というフレーズが印象に残る短編。

物事の認知については、基本的に四つの構造がある。

(A)認知されるべきであり認知される、

(B)認知されるべきではないのに認知される、

(C)認知されるべきなのに認知されない、

(D)認知されないべきで認知されない。

一般的に言えば、この中で、AとDに関してはストーリーの円滑な進行にかかわり、BとCについては喜劇における笑いの起こるシークエンスである。

ところで、本作には壁に影として映し出された二人の強盗の姿がある。この当時は非常に新鮮味のあったであろうショットは、『ベルトルッチの分身』などではさらに大きく進化し、後の映画でも頻繁につかわれる伝統的なショットの源流的な存在である。