a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

Little Buddha (1993) - キアヌ・リーブスのひたむきな役作りを観る。

Bernardo Bertolucci監督。

現実界のストーリーと、説話内のストーリーが平行して進む形式である。

個人的には、キアヌ・リーブスの演じるシッダールタ王子もしくはブッダをもっと映像として見ていたかった。つまり、現実界のストーリーの方は私はどこかで似たようなストーリーもしくはカメラワークを、観た事があった。しかし、シッダールタ王子のストーリーの方は実写で観た経験が無く、こちらの画面の方は認知していてより楽しかった。

映画はストーリーで成り立つが、ストーリー自体は登場人物の物事の認知によって集合されている。すると、カメラワークは次の二点に意味的に分類することが可能となる。ひとつは、登場人物が事物を認知したことを描写するためのもの。もうひとつは、映画世界からは飛び出して観客自身が事物を認知するために提示する映像。手塚治虫には許された突然のメタ視点は、私がいままで映画を観ていて一回も確認していない。

本作が、『ラストエンペラー』や『シェルタリングスカイ』よりも、後の作品であることに私は少し驚いたものだ。なぜなら、これら二作品の方が、カメラワークも編集も上手かった。しかし監督は、本作で老いることはなかった。次の作品である『Stealing Beauty』は、撮影技法も技術も非常に過去作品を上回っている。