a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

Une Excursion Incoherente(1909) - 映画の基礎

Segundo de Chomón監督

 映画の楽しさの発想としての基礎がすべて詰まった作品。ピクニックに出かけた先では、美味しそうな食べ物の中には全部虫が入っている! 暖炉の中で繰り広げられる幻影や、アニメーションの数々。現代に至るまでの、有声映画の特徴を除いたすべての映画の楽しさの基礎が詰まっている。もちろん、モンタージュやクローズアップなど以後に発明された様々な技法はあれど、観客を楽しませるという観点において、本作以上の基礎はいらないのであり、また本作以上を発明することができないでいる。もちろん、4DXという新しい楽しませ方は生まれたが、あくまでも二次元の画面の中における娯楽の描写として捉えれば、本作以上の娯楽要素は探しても見つからないのである!

 よって、この時代のGeorges Mélièsも良いし、スラップスティックコメディーも良いが、世に出た映画作品全てを俯瞰した上でも本作はベストなのである。