a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

I am Regend (2007) - ラストが二つ用意されたゾンビ映画。

Francis Lawrence監督。

途中でうようよしているゾンビがとても気持ち悪い映画。そこで、ゾンビ好きの鑑賞者には好きな映画であろう。

新薬を開発している途中に、あらぬ毒性が出て地球がゾンビだらけになるという典型的な映画。今回はウイルスを改変したがん治療薬「クルピンウイルス」が物語の発端となる。

たった一人でクルピンウイルスに立ち向かう姿は、必然的に観客に応援したくなる気持ちをもたらす。途中で死ぬ犬はまったく過失がないので、観客は犬に同情する前に、まずクルピンウイルスを憎む感情が生まれるだろう。これがおそらく制作者側のねらいであり、主人公の奮闘をラストまで見続けていられる土台である。逆に言うと、これで主人公が無駄死にでもしようものなら、観客が制作者側にむかって怒りだすだろう。主人公の努力が別のシナリオが急に台頭することで霞んでしまったら、観客はフラストレーションをかかえたまま劇場を後にすることになる。

本作について二つのラストが製作されていたことが調べるとわかるのだが、通常放送版のラストに置き換えたのは賢明である。見終わった後に拍手喝采できるのは、こちらのラストだけである。

もう一つのラストはDVD特典で確か観れる。こちらは拍手喝采できない。理由は明らかで、主人公の努力が別のメッセージのせいで霞むからである。