Tand Ravich監督・脚本。
Charlize Theronら出演。
不思議なカットが多い。唐突に耳や足を映したり、早回しを入れたり、表現の意図がよくわからない。Tarkovskyの手法をまねろと言うつもりはないけれど、学校で妊娠がわかって立ち尽くすシーンでは無理に早回しを入れなくてよかったのでは。そのままリアルタイムに立ちつくさせた方が感情が伝わる。この例でもわかるように、撮り方ひとつだけで映画は大きくかわる。
双生児を自然に発生させる確率は、論文によると0.4%であるという。宇宙飛行からかえってきた宇宙飛行士二人の妻二人が、偶然おなじタイミングで双子を身ごもる確率は、ほとんどありえない。そこで、これは宇宙飛行士がなにか絡んでるなと思うわけである。
一人で問題解決に向かおうとするので、個人主義の根付いている国の映画だとわかる。それにしても、一人で解決しようとしすぎである。
一人でやらなければならない状況におかれているのであれば理解するが、本作ではいつでもNASAに連絡がとれる時間があった筈なのにその描写すらしなかった。これには驚いた。
きめ細やかに実際感覚の伴った作品を作るべきなのか、多少粗くても観客が妥協して目をつぶることで成立するレベルで描けばよいのか。そのさじ加減はどのように決めていくべきか。そのあたりの考察が、少し一線を下回っているような気がしてならない。