Brian De Palma as director
映画として及第点は超えているには違いないのだけれど、どこかに違和感がある。それぞれのシークエンスにおけるスクリーンプレイが必ずしも的確ではない。また、原作にどれほど忠実に脚本を書いたかはさて置き、映画の展開としては果たして必要であったのか疑問なシークエンスの方が多い。刑事二人と女との三角関係、殺人事件のミステリー性の二軸で展開するから楽しいはずのストーリーが、いらない要素にまみれてぼやけているのである。力量不足といえばそれまでであるが、2000年代後半に作られた作品にしてはあまりにも古い手法ばかりであり、さらに撮影技法に一貫性がない。